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Saturday, January 18, 2020

【医師監修】産後のスキンケアで肌は変わる? この時期の特徴と肌ケアのコツ - マイナビウーマン

この記事の監修ドクター

窪 麻由美先生

Fika Ladies‘ Clinic フィーカレディースクリニック(東京都中央区日本橋)副院長。順天堂大学医学部附属浦安病院非常勤助教。東京女子医科大学卒業後、順天堂大学医学部附属順天堂医院、順天堂大学医学部附属静岡病院などを経て、2009年に順天堂大学大学院医学研究科を卒業、博士号を取得。医学博士、日本産科婦人科学会専門医、日本抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医、日本スポーツ協会公認スポーツドクター、日本障がい者スポーツ協会公認障がい者スポーツ医、女性のヘルスケアアドバイザー

そもそも妊娠で肌にはどんな変化があるの?

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まずは妊娠がきっかけで起こる、肌の変化について見ていきましょう。

妊娠すると、肌の状態が妊娠前と変わることが多々あります。肌がしっとりする、キメが細かくなるといった良い変化であればうれしいのですが、そううまくはいきません。妊娠によってよく起こるとされる主な肌の変化を、以下に挙げてみました。

●胸、乳首や太ももの内側に色素沈着が起こる
●頬や鼻、額の周りなどに茶色の斑点(肝斑)ができる
●顔や首、腕などに赤い斑点(クモ状静脈)が現われる
●正中線のうち、へそから恥骨の上部までの線が濃くなる
●妊娠線(ストレッチマーク)ができる
●にきびができる
●静脈瘤ができる
●爪が割れやすくなる

顔や首、腕などに現れる小さな赤いクモ状静脈は、妊娠中のホルモンの変化と体内の血液量の増加によって生じます。

上記のほか妊娠性痒疹やPUPPP(そう痒性じん麻疹様丘疹。pruritic urticarial papules and plaques of pregnancy)などの、肌にかゆみを生じるトラブルが起こることもあります。

妊娠中に生じた肌の変化の多くは産後、ホルモンバランスが元に戻っていくのと同時に、自然に消えたり治まったりしていきます。しかし中には産後も症状が続く肌トラブルもあります。

クモ状静脈による肌の赤みは出産すると消えていきます。色素沈着や肝斑、静脈瘤、爪の割れやすさについても産後、自然に消えたり、妊娠前の状態に戻ったりしていきます。

一方、妊娠線や正中線は出産と共に薄くなるものの、完全に消えることはありません。また、にきびや肌のかゆみといったトラブルも、産後しばらく続くことがあります。

産後の肌が不安定な理由

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産後の肌は上述のように、にきびや肌のかゆみといったトラブルが生じたままになるなど不安定な状態にあることが多いものです。それは一体なぜなのでしょう。

妊娠すると妊娠の維持や出産などに備えて、女性の体内ではエストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンの分泌量が増加します。エストロゲンやプロゲステロンは妊娠経過に伴って右肩上がりに増加し、分娩時にピークを迎えます。が、それもつかの間、分娩が終わり、胎盤が排出されると、それまで増えた分が一気に減少します。

「減少する」といっても妊娠前の状態に戻るだけですが、大量にあったものが数時間で急激に減るわけで、身体には大きな影響があります。そうしたホルモンバランスの変化は当然、肌にも影響を与えます。

ホルモン分泌の急激な変化に加え、産後の女性を取り巻く環境の変化も、肌トラブルを引き起こす原因となります。慣れない育児による疲労、睡眠不足、栄養不足などにより、肌は不安定な状態が続きます。

こうしたことから、産後は肌トラブルが生じやすくなるのです。

産後のスキンケアのコツ

トラブルの生じやすい産後の肌はどのようにケアしていくのがよいのでしょう。そこにはいくつかのポイントがありました。

出産と同時に女性たちは育児に追われ始めます。子供を第一に考え、自分のことは二の次になるため、スキンケアに時間をかけられなくなる人も多いでしょう。そんな時、最低限行っておきたいことのひとつが紫外線対策です。

紫外線はビタミンDの生成などに役立ちますが、少量であっても浴び続けることで肌の老化(光老化)を招き、シミやシワを生じさせるきっかけにもなります。産後の不安定な肌に紫外線を浴びると、こうした光老化を促進し、シミ・シワを増やす結果になりかねません。

とくに肝斑のできた部分が紫外線にさらされると周囲の皮膚よりも色調がさらに暗くなってしまうので、予防のために紫外線から身を守ることが大切です。紫外線の影響は屋内にいても受けることがあります。たとえ外出をしなくても紫外線対策はしっかりと行うようにしましょう。

なお、日焼け止めに含まれる主要成分には紫外線吸収剤と散乱剤の2種類があり、これらを単独で、または組み合わせて配合しています。このうち紫外線吸収剤についてはまれに肌のかぶれを引き起こすことが確認されています。肌がかぶれやすい人などは、できれば「ノンケミカル」や「吸収剤未使用」と表示された、紫外線散乱剤のみを配合した製品を使うとよいでしょう。

日焼け止めの強さを表すSPF値やPA値は、日常生活で光老化を避けることを目的とするなら、それほど強いものである必要はありません。SPF5~10程度、PA+または++のもので十分でしょう。

また、規定の量をきちんと塗ることが大切です。顔であれば真珠2粒分くらいを顔全体にのばします。そして、可能であれば3時間に1回程度塗り直し、効果を持続させるのがよいとされています[*1]。

ホルモンバランスの変化や紫外線のほかにもうひとつ、注意したいのが「摩擦による肌へのダメージ」です。洗顔やスキンケアの際に肌をこすり過ぎることが刺激となり、シミなどの肌トラブルを引き起こしているのではないかということです。

洗顔やメイクのクレンジング、スキンケアの際には力を入れず、やさしく肌をなでるようにしましょう。そして洗顔後は保湿もしっかりと。当たり前のように思えますが、産後の不安定な時期のスキンケアにとっても大切なことです。

バランスのとれた食事や睡眠など、生活リズムを整えることも肌トラブルの解消に役立ちます。といっても産後の女性は育児を最優先してしまうため、常に睡眠不足になりがちで、十分な睡眠時間を確保することは難しいかもしれません。

忙しい毎日のなかでも、赤ちゃんが眠っている間はできるだけ一緒に眠る、家事を多少後回しにしてでも睡眠時間に回すなどして、できるだけ体調管理に努めることも、肌のみならず、産後のさまざまなトラブル防止につながりますよ。

まとめ

産後は自分のことをつい二の次にしてしまいがちですが、出産を終えた女性の身体は大きなダメージを受けています。子供のお世話の合間にでも、自分のこともこまめにケアできれば、産後の回復も早くなり、肌トラブルの改善にもつながるはず。毎日少しずつで構いません。自分自身にも目を向ける時間を作り、産後のこころと体をいたわってあげてください。

(文:山本尚恵/監修:窪麻由美先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]日本皮膚科学会 皮膚科Q&A Q13サンスクリーン剤の使い方
https://www.dermatol.or.jp/qa/qa2/q13.html

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