またもや、見せたぞ! 高川学園(山口)が岡山学芸館との「中国ダービー」に2-1で逆転勝ちし、14大会ぶりの3回戦進出を決めた。同点で迎えた後半20分。左FKからのセットプレーで奇策がさく裂した。初戦でも見せた話題沸騰中の“グルグル円陣”。相手DF陣をかく乱させ、最後はFW中山桂吾(3年)がヘディングで2試合連続ゴールとなる決勝弾で試合を決めた。次戦は1月2日、仙台育英(宮城)と8強入りを懸けて激突する。

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高川学園の“奇策”が、また功を奏した。1-1の同点で迎えた後半20分だ。敵陣ゴール左後方でFKを獲得。ここぞとばかりに、選手が3人1組の輪を2つ形成する。選手同士で手をつなぎ、ピッチ上を反時計回りに飛び跳ね、ボールが蹴られた瞬間にゴール前へ一斉に散らばった。最後はこぼれ球に反応した、MF林晴己(3年)がクロスを上げ、FW中山が頭で押し込んだ。

中山 良いボールがきたので頭で合わせるだけでした。チームのみんなで協力して取れた点だと思います。

必殺“グルグル円陣”を生み出したのは、決勝点の中山だ。「(山口)県大会の時にこれならはまるかなと思って、自分が考えた」と言う。江本孝監督(37)は苦笑いを浮かべ「私はよく分かりません。選手たちが考えてやっています」と選手のアイデアであることを強調する。

この日はアレンジをつけ加えた、新作だった。星稜(石川)との初戦でも同様のケースを披露。FKから5選手が円陣を組み、林が先制弾を決めていた。この1シーンはSNS上で話題となり、海外のプロサッカー関係者らも反応するなど、大きな反響を呼んだ。林は「対策してくると思ったので『少し変えよう』と選手間で話し合った」。2回戦を控えた前日30日の練習中、5人1組1つの輪から3人1組2つの輪へバリエーションを増やした。指揮官は言う。「メディアの方々が取り上げてくださって、研究もされてくると思ったので、2つの輪になった。さらに選手たちが成長できたのかなと思います」。

8強入りを懸けた次戦は雪辱戦だ。仙台育英とは19年度大会の2回戦で敗れた宿敵。“奇策”の生みの親である中山は「仙台育英に借りを返したい。具体的なことは言えないですけど、セットプレーの種類はもうちょっとある」と不敵な笑み。高川学園イレブンの冬は、まだまだバズりそうだ。【佐藤究】

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