ニューノーマルはすでにノーマルとなり、街の鼓動は再び力強く脈打ちはじめている――。
そんななか日本の業界関係者たちは、2022年にどんな課題を感じ、どんな可能性を見出しているのか? この年末年始企画「IN/OUT 2022」では、 DIGIDAY[日本版]とゆかりの深いブランド・パブリッシャーのエグゼクティブに伺った。
株式会社 集英社にて、広告部 広報部 コンテンツ事業部他 常務取締役を務める田中 恵氏の回答は以下のとおりだ。
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――2021年に得たもっとも大きな「成果」はなんですか?
1. あらためて「コンテンツの力」がビジネスの起点であることを実感したこと
常日頃から、何より大事なのは「コンテンツの力」で、そのコンテンツを編集力で地道に育てていくことがビジネスにつながると思ってきましたが、『鬼滅の刃』『呪術廻戦』はじめ、多くのコンテンツをもとに、あらめてそのことを実感できたのは大きな成果でした。イベントやキャラクターグッズの販売、eコマースなどファンの方々の熱量を感じながら仕事ができたことを、ありがたく思っています。
広告ビジネスにおいても、マンガアプリの好調を受け、リワード広告などが伸長し、結果的に全体におけるデジタル広告の割合がどんどん大きくなっています。クライアントの課題解決のために広告部内に「集英社マンガソリューションズ」というチームも発足し、他部署と連携しやすい形も整いました。
2. デジタル広告の健全化に向けて、具体的にアクションできたこと
雑誌ブランドの広告ビジネスがデジタル抜きでは考えられなくなり、デジタル広告の健全化については喫緊の課題ととらえて数年前から取り組んできました。2021年春には全ウェブ媒体でアドベリフィケーション対応をスタート。特にアドフラウドとブランドセーフティに関して、安全基準を満たした広告配信を続けてきました。
11月にはJICDAQ(デジタル広告品質認証機構)の品質認証事業者として認証を取得することができ、これも大きな成果と考えています。今後も、より信頼していただける広告配信をめざしたいと思っています。
――2021年に見えてきたもっとも大きな「課題」はなんですか?
出版社においても、すべての部署でビジネスモデルが大きく変化し、広がってきています。これに対応できる人材の育成や、新しい才能との出会いがますます大きな課題になっていると思います。今、デジタル人材とかDX人材というような言い方をよく耳にしますが、デジタルの知識はもちろんですが、私は、新しいビジネスの構想力があり、時代の変化に柔軟に対応できる、そして、仕事を面白がれるような人材をイメージしています。「人」が何より大事と思っています。
――2022年にもっとも注力したい「取り組み」はなんですか?
最近、社内の部署を横断したプロジェクトが、とても多くなってきています。逆に言うと、ひとつの部署だけでやれるような仕事は、本当に少なくなっているのだと思います。この流れはますます加速するはずですし、さらにスムーズに進むよう、組織も柔軟に形を変えながら、その流れに乗ることが必要と考えます。少しでも風通しの良い組織を作ることに取り組みたいです。
女性誌・男性誌は2021年にデジタルビジネスを軸に雑誌ブランドを進化させるために新体制になり、プリントとデジタルを一体化した組織ができました。これもフックに、2022年はさらなる成長を目指したいと思っています。
Edited by DIGIDAY[日本版]編集部
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からの記事と詳細 ( 「少しでも風通しの良い組織を作ることに取り組みたい」:集英社 田中 恵 氏 - DIGIDAY[日本版] )
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