Pages

Tuesday, May 12, 2020

産油国に少しずつ迫る「逆オイルショック」 - iFOREX

今年になってからCOVID-19パンデミックと経済停止による需要の減退などのため、原油価格が大きく低迷している。こうなると苦しくなってくるのは産油国で、サウジアラビアは最近付加価値税(消費税)を一気に3倍にするなど早くも「逆オイルショック」の様相を見せている。

原油収入減で財政を緊縮

去年までは世界経済に減速が見えていたものの、原油価格は50~60ドル付近をキープしていた。しかしそれが今年になって大きく崩れた。


原油価格が崩れた最大の理由はCOVID-19(新型コロナウイルス)のパンデミックで、原油の需要が大きく減退したことだった。その結果4月にはNY先物市場の原油価格が一時-40ドルをつける珍現象も起こった。


日本は原油の輸入国なので、原油が安くなることは日本にとってはどちらかと言えば都合がいい。だが産油国にとっては、原油安は国家財政そのものをも揺るがす問題となっている。


世界の主要な産油国の1つ・サウジアラビアは、すでに今週になって原油安を理由として国家財政を緊縮する措置を打ち出した。緊縮措置の中に含まれているのは、例えば付加価値税(日本でいう消費税)の増税。サウジアラビアは2018年に5%の付加価値税を導入したばかりなのだが、7月からそれを一気に3倍の15%に引き上げると発表した。


そして公務員などに支給していた生活手当も、6月から停止される。この生活手当とは、2018年の付加価値税導入時に市民の生活を支援するために開始されたものだった。ところが今回は付加価値税を15%に引き上げると同時に生活手当も停止されるので、市民の生活は相当圧迫される。


財政削減案ではさらに一部の政府機関への支出を削減したり、2030年を見据えた経済改革プラン「ビジョン2030」への支出も削減する。


とはいえサウジアラビアは中東産油国の中では比較的豊かな国なので、すぐに国家が破綻するなどといった事態になることはない。サウジアラビアの通貨はリヤルで、1ドル=3.75リヤルのレートで米ドルにペッグ(固定)されている。そのため原油を売るにあたっての為替リスクもあまりない。


しかし原油価格と需要の低迷が長期化すれば、サウジアラビアはさらに厳しい状況に追い込まれる。そしてこのような展開は金融市場にとって無視できるものではない。というのもサウジアラビアからは「オイルマネー」として、多額の資金が金融市場に流れ込んでいるためだ。


ソフトバンク・グループが運用する「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」にも、サウジアラビアの政府系ファンドが450億ドル(約4兆8000億円)も出資している。またこのファンドは運用総額が3,200億ドル(約34兆円)と言われ、その多くが株式市場で運用されていると思われる。


サウジアラビアが厳しい状況に追い込まれると、政府系ファンドが株式を売って資金を引き上げないといけなくなる可能性もある。そうなると世界の株式市場には大きな売り圧力がかかる。そして原油安が続く限り、このようなシナリオはいつか起こってもおかしくない。

Let's block ads! (Why?)



"少し" - Google ニュース
May 12, 2020 at 08:31PM
https://ift.tt/2SWqVze

産油国に少しずつ迫る「逆オイルショック」 - iFOREX
"少し" - Google ニュース
https://ift.tt/2RcXI10
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update

No comments:

Post a Comment