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Wednesday, June 17, 2020

肌の色が命を分ける アメリカ社会の深刻な構造問題 - 朝日新聞デジタル

京都大学人文科学研究所教授 竹沢泰子さん寄稿

 反人種差別の抗議運動「黒人の命を粗末にするな」(ブラック・ライブズ・マター)が世界に広がっている。事件の背景に横たわる米国社会の深刻な構造問題について、人種問題に詳しい竹沢泰子・京都大学人文科学研究所教授に寄稿してもらった。

 たけざわ・やすこ 京都大学人文科学研究所教授。専門は文化人類学、人種・エスニシティー論。黒人殺害事件と抗議運動についてさらに詳しい解説を自身のホームページ(http://takezawa.zinbun.kyoto-u.ac.jp/)などで公開。

 米ミネアポリスで黒人男性ジョージ・フロイドさんが警官に首を圧迫され死亡した事件。1人の勇気ある黒人女子高生の撮影が、未曽有の規模の抗議運動「黒人の命を粗末にするな」と世界的な反人種差別運動を引き起こした。今この問題に「沈黙」することは不正義への加担であり、人種間を横断する大きな連帯の波は、今こそ変革に自分も参加しなければならないという強い意志の表明である。

 そんなさなか、アトランタでも黒人男性が警官に撃たれ命を落とした。また、昨秋と今年3月に起きた黒人女性の射殺事件も注目され、これまで人種とジェンダーの両面から看過されてきた多くの黒人女性犠牲者にも光が当たりつつある。

 「黒人の命を粗末にするな」運動の発端となったのは、フロリダ州で黒人高校生を射殺した自警団員に対して、2013年に下された無罪判決であった。

 この種の事件は日常茶飯事だ。ポケットから携帯を取り出そうとして銃だと勘違いされ撃たれる。歩いているだけで止まれの声が聞こえなければ、すぐに射殺される。大半は「正当防衛」による無罪である。

 「ワシントン・ポスト」紙のデータベースによると、武器を所有せずして警察によって殺された黒人は、人口比でいうと白人の4倍以上である。3年前、ある警官が車内でおびえる白人女性に、「我々が殺すのは黒人だけだ」と吐露したように(映像は世界に流れた)、フロイド事件は構造的なヘイト犯罪である。

 さらには同じ黒人のなかでも、…

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