(セ・パ交流戦、西武8-9阪神、3回戦、阪神2勝1敗、30日、メットライフドーム)ピンチにも動じず、力いっぱい左腕を振った。及川が汗をぬぐい、笑顔でベンチに戻るとその直後に味方打線が勝ち越し。反撃の流れを作り、プロ初勝利をつかんだ。
「率直にうれしい気持ちもあるんですけど、こういった形で初勝利するとは思っていなかったので、少しびっくりしている気持ちもあります」
■ピンチで登板も後続断つ
3―4の三回1死二塁で登板。呉念庭に右中間への適時二塁打を許したが、後続を断った。四回は無死二塁とされたが、森、中村、栗山と上位打線を抑え、相手の流れを絶った。
「初勝利の権利がついたというのはわからなかったですけど、自分が投げてしっかり流れをもってこれたのかな」
横浜高時代、自身とともに「高校BIG4」と称された同期入団の西純やロッテ・佐々木朗(大船渡高)、ヤクルト・奥川(星稜高)はすでにプロ初白星を挙げている。
「あまり意識を強く持ちすぎずに、しっかり自分と向き合ってやっていきたい」と冷静に話したが、2軍で過ごした春季キャンプでは1軍キャンプの西純に「負けられない」と対抗心を燃やしていた。大トリでの白星。同期にまず追いついた。
■フォームの試行錯誤を繰り返し…
昨季は8月に腰の張りで離脱。投げられない悔しさも味わった。春季キャンプ中では宿舎でストレッチの時間を増やした。投球では平田2軍監督からテンポの悪さを何度も指摘された。フォームの試行錯誤を繰り返し、ブルペンで投げては感覚を確認。今は無駄を省くためにセットポジションから投げている。
「『及川なら大丈夫だな』という信頼されるピッチャーを目指しているので、そういうピッチャーになりたい」。記念球は両親に贈る。ここから白星を積み上げていく。(菊地峻太朗)
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