グルメやキーホルダーだけでなく、コスメにも「ご当地もの」がある。地元の資源を使って生まれた宮城ならではの魅力的な化粧品を紹介しよう。誕生の地を訪ねると、それぞれに心動かされる開発ストーリーがあった。
マリナス
フカヒレ由来コラーゲン、ユズ、ハマナス、酒粕と、気仙沼産素材てんこ盛りのご当地コスメ「マリナス」。販売会社KESEMO MARINUS社長の斎藤まゆみさんに会うと、肌の張りときめ細かさに目が釘付けに。63歳と聞いてさらに驚いた。「マリナスのおかげよ」とちゃめっ気たっぷりに話す。
東日本大震災後の2013年、地域資源から新たな価値をつくろうと、地元企業や研究機関が「気仙沼水産資源活用研究会」を結成。サメの水揚げ量日本一の気仙沼ならではの特産フカヒレに含まれる保湿力の高いコラーゲンに着目し、化粧品のアイデアが生まれた。コラーゲンは変化しやすく扱いが難しい成分。だが、会員の水産加工会社・石渡商店が手掛けるフカヒレは鮮度と処理技術が高く、メーカーも驚くほど質の良いコラーゲンの抽出が可能に。他に、ユズを活用した後に残る種子、海岸などに自生するハマナスの花、復興を遂げた酒蔵の酒粕のエキスを配合した。
「被災地の商品だから買ってもらうのではなく、いいものを作って、地元の人に気仙沼を誇らしく感じてほしかった」と熱く語る斎藤さん。使い心地に妥協せず「メーカーに何度も注文をつけて困らせた」末に、自信作を完成させた。旅行に来て何気なく購入した人が「肌がしっとりして感動した」と、リピーターになるケースも多い。気仙沼のホテルや東急ハンズ仙台店などで扱っている。
KESEMO MARINUS
気仙沼市弁天町1-7-4
フリーダイヤル0120-665-604
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Written by 鶴岡 彩
(河北ウイークリーせんだい2022年4月21日号掲載)
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