新たな研究によると、ウォーキングなど中程度の運動を増やすと、寿命が延びる可能性があるという。
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- 健康効果を得るには、週に75分から300分の運動が推奨されている。
- それより少し多めに運動に行うと健康リスクがさらに低くなることが新たな研究でわかった。
- 活発な運動は週300分まで、ウォーキングなどの中程度の運動は週600分までなら、早期死亡を防ぐ可能性がある。
推奨される最低限の運動量以上の運動をすることで、より健康で長生きできる可能性があることが、2022年7月25日付けでアメリカ心臓協会誌「Circulation」に発表された大規模研究で明らかになった。
ハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院の研究者らは、10万人以上が参加したの30年にわたる追跡調査データを基に、自己申告による運動習慣と何らかの原因で死亡するリスクとを比較した。
ウォーキング、ウェイトトレーニング、自重トレーニングなどの活動は中程度の運動として、またランニング、水泳、自転車、エアロビクスなどの活動は活発な運動としてカウントされた。
アメリカ保健福祉省(HHS)の現在のガイドラインでは、少なくとも週に150分の中程度の運動、あるいは週に75分の活発な運動、またはその両方を組み合わせることが推奨されている。
推奨される最低限の運動量を満たした調査参加者は、運動量の少ない同世代の参加者に比べて、調査期間中に何らかの原因で死亡するリスクが最大で21%低いことが明らかになった。
それよりも若干よい結果となったのはより熱心に運動した人で、週に150分から300分の活発な運動をした参加者は死亡リスクが21%から23%低くなったことをデータは示している。
さらに死亡リスクを下げるのは、ウォーキングのような中等度の運動を推奨よりも長い時間行うことで、週に300分から600分の中程度の運動をした参加者の死亡リスクは26%から31%低くなった。
これまでの研究では、マラソンやトライアスロンのトレーニングなどの激しい運動は、心臓の健康リスクを高める可能性があるとされていたが、この研究ではそのようなことはなかった。 週に360分以上の激しい運動や、週に600分以上の中程度の運動にはメリットは見られなかったが、副作用も見られなかった。
この研究論文の筆頭著者でハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院の研究員であるドン・フン・リー(Dong Hoon Lee)は、どんなに運動も長期にわたって効果を得るには続けることが重要だと述べている。
「我々の研究は、人々が健康を維持するために生涯にわたって適切な運動の量と強度を選ぶ際のエビデンスとなるものだ」とリーはプレスリリースで述べている。
なお、この調査の参加者はほとんどが白人であり、看護師やその他の医療専門家を対象とした2つの大規模調査から抽出している。それがこの研究の制約のひとつとなっており、調査結果が他の層に適用できるかどうか明らかはでない。
とはいえ、これまでの広範な研究によって、運動の健康効果は高いことが裏付けられており、気分の向上や心臓の健康増進から、筋肉の増強と加齢に伴う衰えの防止に至るまで、数えきれないほどの効果がある。最高の結果を得るには、有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせた運動を日課にすることだ。
平日はなかなか運動する時間が取れない場合でも、週末に運動量を増やすことで、平日の運動量と同じように健康に役立つ可能性があることが最近の研究で明らかになっている。
[原文:Extra exercise could extend your lifespan and protect you from early death, study suggests]
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)
からの記事と詳細 ( 少し多めの運動が寿命を伸ばす?…早期死亡リスクが最大約30%低下、最新の研究で - Business Insider Japan )
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