理想の肌を手に入れるために、さまざまな美容液やクリームを試したり、手の込んだフェイシャルコースを予約したりと、努力を惜しまない人は数多い。しかし、これまでずっと私たちの目の前にあったひとつのシンプルな美肌対策がある。それはアルコールを断つ、または大幅に減らすことだ。アルコールが健康を害することは広く知られているが、肌に与えるダメージとはいったい何なのだろうか?
デザイナーやUS版『VOGUE』のエディターたちをクライエントに持つニューヨークの栄養士、ジャイロ・ロドリゲスは、「実はアルコールは、肌へ最も大きい打撃を与える成分のひとつ」と話す。「私はいつもこう冗談を言うんです。『年を取りたいのであれば、どうぞ飲んでください』と」。これまで以上に“ソバーキュリアス(Sober Curious:お酒自体は飲めるがあえて飲まない、または少量しか飲まないこと。ミレニアル世代を中心に広がるライフスタイル)”への関心が高まる今、ロドリゲスにアルコールと肌トラブルの関係、断酒のメリット、よりヘルシーなお酒との付き合い方を聞いた。
1. 脱水症による皮膚の乾燥
「アルコールは膵臓や肝臓から皮膚まであらゆる粘膜に影響を及ぼし、肌の老化を進めることも。まず、脱水症状によって皮膚から水分が奪れ、乾燥してしまうのです。20年、30年とお酒を飲み続けている女性と、全く飲んでいない同年代の女性では、肌のコンディションに大きな違いが見られます。飲酒による脱水によってシワが増え、プラス10歳ほど老けて見えてしまうことも」
2. 赤みや炎症の原因にも
「アルコールは細胞組織を炎症させ、ヒスタミンなど炎症を起こす化学物質を分泌します。これによって皮膚の赤み、紅潮が生じるのです。飲酒中の顔のちょっとした赤みは大したことないと思われがちなのですが、半年、1年、2年と飲み続けるとそれが目立つようになり、定着してしまうのです」
3. 禁酒で肌は再生する?
「皮膚は他の臓器と同じように再生する力を持っています。しかしその再生力は、どれだけのダメージを受けてきたかにもよります。15〜20年お酒を飲んでいた人が禁酒をしたからといって、これまで飲んでこなかった人と同じ肌を手に入れられるわけではありません。コラーゲンの破壊によって失われた肌のハリを取り戻すのは難しいのです」
4. 肌へのダメージが低いお酒の種類
賢く飲むとしたら、どんなお酒を選ぶのがベストなのだろうか? 「アルコールの肌への影響は種類によって異なりますが、一般的にはウォッカ、ジン、テキーラなど、体内で分解されるのが早いクリアな色のお酒がベター。なんでも飲む人には、穀物を含んでいないウォッカ類がおすすめ。ジャガイモで造ったポテトウォッカは飲み心地もスムーズ。体に入っても抜けやすいんです」
5. 飲む頻度を減らす
「20歳の場合、アルコールは約3時間ほどで分解されます。40歳は平均33時間。飲酒は1日おきなど、間隔をあけるように。週に1、2回にとどめれば、肌トラブルを防ぐことができます」
6. 飲酒中の水分補給を怠らない
「お酒を飲むなら、お水と一緒に飲むこと。利尿作用が高まります。もうずっとこう言われてきているのに、水分補給を怠る人が多いんです」
Adaptation: Motoko Fujita
From VOGUE.COM
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