中国の孔鉉佑(コンシュワンユー)駐日大使は19日、新型コロナウイルスによる肺炎にからみ、日本から寄せられた支援に対し感謝のメッセージを寄せた。
孔氏は若者や小学生を含む幅広い日本の人々からお見舞いと励ましのメールが寄せられているとして、「力強いエールを忘れません」と強調。中国に寄せられたマスクや防護服、ゴーグル、義援金への感謝を述べ、新型肺炎との闘いが、「面識のない多くの中日両国の皆さんを身内のように強く結びつけ、われわれに限りない力と勇気をもたらした」と表した。
また、日本国内で感染拡大が進む状況について、中国側も力の及ぶ限りの援助を行うとして、「日本の皆とともにこの困難を乗り越えたい」と結んだ。
日本国内で新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、日本政府が中国湖北省武漢市に飛ばしたチャーター機の最終便でも各界からの支援物資が届けられたことについて、中国国内では「日本の人たちも必要でしょう」などと心配する声が出ている。中国外務省も「中国も状況はまだ厳しいが、日本にでき得る限りのサポートや援助をしたい」と表明した。
最後になる見通しのチャーター機が東京に戻った17日、在北京日本大使館は中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」で、今回もチャーター機で日本から5千着の防護服などを届けたことを公表。「住む場所は異なっても、同じ空の下でつながっている」との意味の「山川異域 風月同天」という言葉も記した。
この投稿には4万以上の「いいね」がつけられ、「(日本の人たちは)自分のためにも少しは残しておいて」「心配だ。五輪もあるんだから」「日本も頑張って」といったコメントが次々に書き込まれた。
中国外務省の定例会見では、日本からの支援物資が多く届けられている湖北省のテレビ局記者が「日本の感染拡大についてどう見ているか」と質問。耿爽副報道局長は、「私たちは自分の身に起きたことのように感じている。日本の政府と各界がくれたこれまでの真心と善意のこもったサポートや援助を心に刻み、深く感謝している」と述べた。(北京=平井良和)
朝日新聞社
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