黒人差別撤廃への運動が広がる中、化粧品会社は「美白」をうたうことを撤回し始めている。英蘭ユニリーバは「ホワイト」「ホワイトニング」といった名称を廃止し、インドをはじめアジアで展開している「フェア(色白)&ラブリー」のブランド名も今後刷新するという。
仏ロレアルもスキンケア製品から「白」「色白」「明るい」といった文言を外すと発表。米ジョンソン・エンド・ジョンソンもアジアと中東で展開してきたホワイトニングクリームの販売を中止すると述べた。
「美白」は、皮膚の色に基づく人種差別を助長するのだろうか。非西欧人女性の白肌志向は、白人的な身体への模倣欲求の現れと指摘されることもある。日本でもファッション誌には今なお白人モデルが多く起用されるなどし、根強い憧れがあるとも指摘できる。
皮膚の色と表現をめぐっては、近年「ホワイトウォッシング」も問題視されている。映画などで有色人種設定の登場人物を白人俳優に演じさせるというものだが、白人中心主義的な世界観を助長させるなどと批判されている。昨年は「カップヌードル」のアニメーションCMで、大坂なおみ選手の肌色の描かれ方がホワイトウォッシングではないかと批判され、日清食品は謝罪した。
もっとも日本の場合、白肌志向の歴史は古い。たとえば江戸時代の美容指南書『都風俗化粧伝(みやこふうぞくけわいでん)』には美人の条件として「色の白きを第一とす」と、美白法が何通りも掲載されている。背景には町人文化隆盛とともに白粉の消費量が増加したことや、白肌は屋外で重労働に従事する必要がない「特権層」の象徴であったことがあげられる。
旧来の美意識は、グローバル化により刷新されるべきなのか。たしかに白肌を美とする価値観は「それ以外」の肌色をおとしめる恐れがある。他方で、個人の好みとしての美白志向を持つこと自体は批判されるべきではなく、日焼けによる肌トラブルを避ける意図なども尊重されるべきだ。
ただ、今の世界では、皮膚の美の中心を白さに置くことから波及するさまざまな問題に関し、無関心ではいられないことに留意する必要がある。個人的には「どの肌の色も美しい」が、あらゆる政治的問題から自由になり、それぞれの美として当然視されることを願ってやまない。
[日本経済新聞朝刊2020年7月6日付]
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