新型コロナウイルス感染症対策に欠かせないマスクですが、長時間使用することによる肌への影響が気になっている方も多いのではないでしょうか? 紫外線が強い季節のマスク日焼けや、マスクによる肌荒れ対策について、皮膚科専門医の木村有太子先生にお話を伺いました。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
【この記事の監修医師】 木村 有太子先生(順天堂大学医学部附属浦安病院 准教授) 医師、医学博士。2003年獨協医科大学医学部卒業。順天堂大学医学部附属浦安病院皮膚科所属。2013年より准教授。2016年ドイツ ミュンスター大学病院皮膚科へ留学。2016年順天堂大学医学部附属浦安病院皮膚科 准教授。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本皮膚科学会認定 美容皮膚科・レーザー指導専門医、日本医真菌学会認定専門医
マスクによって生じる摩擦が肌荒れの原因
編集部: マスクのせいで肌が荒れるということはあるのでしょうか? 木村先生: あると思います。肌荒れが起きる大きな理由として、物理的刺激が考えられます。マスクが肌にふれている状態で、顔の表情筋が動くことによって、マスクと皮膚に摩擦が生じてしまい、肌荒れが起きるのです。口元は顔の中で一番動きがあるパーツですから、マスクをしていれば摩擦でカサカサになってしまう場合もあります。 編集部: マスク肌荒れがしやすい方の特徴はありますか? 木村先生: 普段からニキビができやすい方にとっても、マスクはあまりよくありませんね。ニキビとマスクで摩擦が起きると、ニキビが炎症を起こして悪化しやすくなります。また、常に蒸れた環境が続くので、細菌が繁殖しやすくなってしまいます。 編集部: ニキビが大きな悩みになっている思春期世代にとっては、マスクは大敵ですね……。 木村先生: そうなのです。皮脂の分泌が多い年齢の方たちには、長時間のマスク使用は酷だなと思います。 編集部: ほかに、マスク肌荒れしやすい方の特徴はありますか? 木村先生: やはり、アトピー性皮膚炎の方は、マスクの長時間使用で悪化しやすくなります。肌のバリア機能が弱くなってしまっているので、少しの摩擦でも刺激になってしまうのです。また、脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)の方も、マスクが悪影響を与えてしまいます。脂漏部位という皮脂の分泌が盛んな部位にマスクをすることで常に蒸れてしまって、菌が繁殖するなどの肌トラブルを招きやすくなります。 編集部: 蒸れるということは、乾燥しにくいということなので、乾燥肌の方にとってはよさそうに感じます。 木村先生: 確かに、乾燥肌の方にとって保湿効果のあるマスクはよさそうですが、乾燥による肌荒れがある場合は、マスクの保湿力よりも摩擦の悪影響のほうが強いかもしれません。荒れた肌に異物があたり、こすれることで、炎症を招いてしまうのです。
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August 05, 2020 at 03:00PM
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