東都大学野球・最終週最終日 国学院大―中大 ( 2021年10月29日 神宮 )
国学院大・瀬戸成一郎(4年・鳥取城北)は、極限まで集中していた。勝てば春秋連覇が決まる今季最終戦。0―0の初回2死一、二塁。3球目の126キロを捉えた打球が右中間を破った。先制の2点二塁打に、右拳を握った。「いつもチャンスで打てていなくて、振り過ぎていた。あの打席は捉えて後ろにつなぐ意識だった。冷静に入れました」と笑顔を見せた。
試練の連続だった。8月の練習中に右足甲に死球を受け、骨折。秋季リーグ開幕直前のオープン戦で打席に立ったが、出塁する度に臨時代走を送る特別ルールを相手チームに了承してもらっての出場だった。
10月11日のドラフト会議。福永奨主将(4年・横浜)はオリックス3位。川村啓真(4年・日本文理)は西武から育成4位で指名された。プロ志望届を出した3人で唯一、名前を呼ばれなかった。指名漏れの際は、社会人でプレーすることを決めていた。仲間たちからは「社会人野球からはドラフト1位だ!」と声をかけられ、救われた。「切り替えることができたから、こういう結果が出たと思う」と感謝した。
「前半は焦りがあったが、後半はシンプルに自分のスイングができた。少しは役に立てたかな」。会見場でその言葉を聞いた鳥山泰孝監督は「少しじゃない。大いに立ったよ」と苦労人の一打を称えた。(川島 毅洋)
◇瀬戸 成一郎(せと・せいいちろう)1999年(平11)9月26日生まれ、兵庫県出身の22歳。鳥取城北では甲子園出場なし。国学院大では2年春にリーグ戦デビューし2年秋にベストナイン。1メートル80、78キロ。右投げ左打ち。
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