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Wednesday, March 30, 2022

少しずつ戻ってきた甲子園らしさ 生演奏解禁、次こそ「声出したい」 - 朝日新聞デジタル

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 第94回選抜高校野球大会は30日、準決勝がある。新型コロナ対策で、昨春は観客の上限が1試合あたり1万人、吹奏楽の生演奏も禁止だったが、今春はいずれも制限が解除され、少しずつだが、いつもの「甲子園」が戻ってきた。

 開幕から準々決勝までの9日間の入場者数は、累計で約18万人。昨春の総入場者数(開幕から決勝まで)約14万人をすでに上回った。だが、コロナ禍前の総入場者数は、毎年おおむね50万人前後だった。

 阪神甲子園球場がある兵庫県では21日まで新型コロナ対応の「まん延防止等重点措置」が適用され、同日まで観客が1日2万人までに制限されていた。また入場券は全席前売り指定席、ネットのみの販売で、球場での当日販売はない。これらが入場者数に影響した可能性がある。

 期間中は真冬のように寒い日もあったが、気温が上がった日もあり、神戸地方気象台によると、平均気温は平年と大きく変わらないという。

 アルプス席では、感染対策で大声での応援は禁止だが、吹奏楽も上限50人で生演奏が解禁された。

 23日にあった大島(鹿児島)の試合には、在校生454人のうち約300人が、奄美大島から最長12時間かけて応援に駆けつけた。関西の同窓会員らも加わり、アルプス席を緑色の帽子やジャンパー姿の約1800人で埋めた。

 宿泊費や交通費は同窓会が中心となって寄付を募った。同窓会長の丸田卯禮男(うれお)さん(82)は「感染対策で指笛ができなかったのが心残り。次はにぎやかに指笛が聞こえるアルプス席で、声を出して踊りながら応援したい」と話した。

 聖光学院(福島)の初戦には、開幕直前の16日夜に福島県で最大震度6強の地震があったが、約800人が駆けつけた。椎野華蓮選手(3年)の父・淳一さん(50)は、東北新幹線が一部不通のため、福島市から12時間ほど車を運転して来た。

 昨年夏の選手権大会は観客が出場校関係者らに限られ、一般客が訪れるのは昨春以来だ。

 準々決勝の28日、近江(滋賀)を応援しに3年ぶりに甲子園を訪れたという大津市の会社員山本健也さん(53)は「この雰囲気をまた味わえてうれしい。やっぱり生でみると全然違う」。声援は上げられず、アルコールの販売もない。それでも「もの足りなさもあるけど、『らしさ』が戻ってきた」と笑顔だった。

 兵庫県芦屋市の田村絵美さん(34)は、大阪桐蔭の吹奏楽部の生演奏を聞きながら「やっぱり演奏があってこそですよね」と話した。今大会2回目の来場で「球速や球威は球場で見ないと分からない」と言う。

 観客席で飲み物を販売していた女性(23)によると、温かいコーヒーやココアなどがよく売れた。「去年は一つのブロックにお客さんが数人で寂しかった。今年は外野を見ても、人がたくさんいてうれしかった」と喜んだ。

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