「きみは、できるかな、できるよ、できる~」と、大きな音で、保育園の園庭に歌が流れます。その歌に合わせて、子どもたちが楽しそうにお遊戯をしている中、息子は離れたところで、ひとりポツンと立っていました。かつての運動会の1シーンです。
21歳になった息子は保育園に通う3歳の時、自閉症の診断を受けました。保育園の運動会は20年近くも前のことなのに、この歌を耳にすると今でも、胸の奥がチクッと痛みます。
「わが子だけが、みんなと同じにできない」というシーンを見るのは、親として結構しんどいことです。「同じようにできない」だけでなく、大声を出して走り回ったりするので、他の保護者に対しても「あぁ、ごめんなさい。せっかくのハレの日に」と、謝ってばかり。「そんなに気にしなくていいのに」と言ってくれる人も多いけれど、気になっちゃうのは仕方ありません。先生から「手拍子ができるようになりましたね」「列に並べるようになって、進歩ですよ」と言われ、「はい、うれしいです」と答えてはみるものの、運動会や学芸会など大きな行事が終わるたび、ドッと疲れが出たものです。
私は東京都三鷹市で、発達障害児の親の相談にのる「ペアレント・メンター相談事業」を行っていますが、行事に関する相談は多いです。
ASD(自閉症スペクトラム障害)の子どもは、普段と違うことが苦手。行事の当日だけでなく、その練習期間も、時間割がいつもと違う。先生やお友達も、なんだかテンションが違う。そのせいで不安定になって、パニックを起こすことが増え、イライラして家族に当たってしまう。子どものストレスの波に巻き込まれて、親も疲れてしまうことが多いのです。
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