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Sunday, April 17, 2022

小さな備え、少しずつ続けたい [金井啓子の伴走で伴奏] - 大阪日日新聞 - 日本海新聞

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金井啓子の伴走で伴奏

2022年4月18日

頻発する地震に不安感

 私は以前、毎日のようにラジオを聴いていた。その習慣が、特にはっきりとした理由もないままに私の生活から消えてしまって久しい。

 だが、その気持ちが変わる出来事が最近あった。日本各地で地震が近頃多くなっているように感じられたことである。激しい揺れというほどではないまでも、そこそこに大きな震度のものが頻発している。

 先日、私の知人が住む地域で夜に地震が発生して、停電が起きた。その時に情報のよりどころとして頼ったのはラジオだったのだと教えてくれた。私が住む地域で最近起きている地震では、今のところ幸運なことに停電は発生していない。だから、揺れを感じるとすぐにテレビをつけるという習慣を続けることができている。

 だが、もし停電すればテレビでは情報を得られないという当たり前のことに、知人の話を聞いて気づきはっとさせられた。そこで、防災用のリュックの中に詰め込んであった小さなラジオを取り出してみた。すると、あまりに長くチェックせずにいたせいかどうか、壊れてしまっていることに気づいた。

 慌てて家の中を探ると、懐中電灯とラジオが一緒になっているものを見つけた。以前に大きめの地震が起きた直後に家電量販店で衝動買いしたまま中身をきちんと見ずにしまいこんでいたのだが、ハンドルを回すと充電できて、スマホにもつなげられるようになっている。さっそくハンドルを回して、懐中電灯が点灯しスマホが充電できることを確認し、ラジオのチャンネルを回してNHKが聞こえる状態にセットして、枕元に置いた。これで、仮に就寝中の真夜中に地震が発生して停電しても、手を伸ばせば明かりをつけて最新情報が聞ける。この器具にはサイレン機能もついているので、仮に身動きできなくなった時にも助けが求められそうだ。

 普段の私は防災に関して「喉元過ぎると熱さを忘れる」タイプの人間で、大きな地震や台風の直後だけ一生懸命にあれこれ準備し、すぐにだらけてしまう。

 年齢を重ねるとこんな性格はなかなか変えられそうもない。でも、防災に関してだけは何とかせねば。そう思いながら、最近始めた新しい習慣を今夜も終えてから眠りにつくことにする。寝る前に水を多めにくんでおく。それぐらいの小さなことから始めて長続きさせる。そしてやれることを少しずつ増やしていくつもりだ。

 (近畿大学総合社会学部教授)

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