政府の中央最低賃金審議会の小委員会が、最低賃金を全国加重平均で30円以上引き上げる方向であることが8月1日にわかった。8月1日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、最低賃金の引き上げ幅について月曜コメンテーターで経済評論家の上念司氏と寺島尚正アナウンサーが意見を交わした。
上念氏「大幅な引き上げは物価高に繋がる」
最低賃金の引き上げは円安などによる物価高騰を考慮した結果で、実現すれば過去最大の上げ幅となる。最終協議は8月1日に行われ、同日中に決着する見通しだ。
このニュースについて、上念氏は「まず基本として、賃金というのはマーケットで決まらないと大変なことが起こるんですよ。例えば、時給を10万円にするじゃないですか。労働者側としてはラッキーと思うかもしれませんが、時給を10万円にした瞬間にほとんどのアルバイトがクビになって、10万円をもらえる人が限られるんですよ。なので、賃金を上げた分だけ失業者が増える可能性があります」と指摘。
また、労働者側は物価高を背景に(賃金の)大幅な引き上げを求めていた。一方、経営者側は仕入れ価格の上昇で収益が圧迫していることを根拠に引き上げを少額にとどめたい意向で、労使の間で隔たりがあった。
「労働者側は物価高を背景に大幅な引き上げを求めていたということですが、大幅な引き上げをしたらもっと物価高になります。そこはわかっているのでしょうかね。賃金が物価に与える影響は大きくて、例えば今アメリカの物価がもの凄く上がっているのは労働者の賃金が上がっているからです。アメリカではスーパーマーケット店員の時給が3000円ですよ。かなり大変な状況にあるということで、今アメリカは利上げをしているわけです。最低賃金というのは、実力的に許される範囲節度を持って少しずつ上げていかないといけないです」と上念氏は解説。「結局一気に上げるのではなく、様子を見ながらコツコツと上げていくのが良いんですね」と寺島アナも答え、性急な賃上げで懸念される課題も見えたやりとりになった。
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