顔を洗った後に「紙」で顔を拭く人が増えている。柔らかく吸水性のあるクレンジングタオルと呼ばれる商品で、新型コロナウイルス禍で衛生意識が高まり、肌への摩擦が少ないこともあって人気が広がりつつある。各メーカーはさまざまな商品を投入している。
王子ネピアは、洗顔後に顔の水分を拭き取る紙タオル「ネピア 鼻セレブ洗顔専用」を3月に発売した。しっとりとした使い心地が人気の鼻セレブのティッシュと同じ保湿成分を配合した柔らかな肌触りが特長。シートに凸凹のエンボス加工を施すことによって従来の鼻セレブのティッシュと比べ3倍以上の吸水速度を実現した。ユニ・チャームも4月、繊維が細くきめ細かい「シルコット フェイシャルタオル素肌おもい」を発売した。
王子ネピアが2021年に18~59歳の女性約1000人に実施した調査では、4割超が洗顔後にティッシュやキッチンペーパーなどの「紙」で顔を拭いたことがあると回答した。紙を使う理由は、布製のタオルを繰り返し使うことへの衛生面の不安や、ごわつき、毛羽立ちへの不満の声が多かったという。
クレンジングタオルの人気の高まりについて王子ネピアの森平高行社長は「新型コロナウイルス禍での衛生意識の高まりが一つの大きなきっかけとなった」と説明する。肌にあてると水分を吸収するため、肌をゴシゴシこする必要がなく、10、20代を中心に男女問わず美容の面でも支持を集めている。「肌に使うことを意識し、高付加価値路線の鼻セレブブランドとして出すことにした」(森平社長)という。
オンラインや特定のドラッグストアチェーンでテスト販売中で、10月からは全国のドラッグストアなどで発売する予定。中国・上海でも女性が紙で顔を拭く習慣があるといい、海外展開も視野に入れる。
日用品などを手掛ける「アィティーオー」(千葉県柏市)は、ミシン目で切って使用するロール状の「ITOクレンジングタオル」を17年から発売し、世界10カ国での累計販売個数は1・5億個を超えるという。コロナ禍前の19年と比べ、22年の販売は2割以上伸びた。
衛生面と若い世代を中心にした美容意識の向上からじわじわ人気が高まっているクレンジングタオル。メーカー担当者によると「顔を拭いた後は洗面台の水あかの拭き掃除に使う」というような、ゴミとして捨てる前の「有効活用」も定着している。【町野幸】
からの記事と詳細 ( 洗顔後にクレンジングタオルで拭く人が増加 肌に摩擦少なく人気 - 毎日新聞 )
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