神経芽細胞とは、いろいろな臓器や組織の元になる細胞のこと。再生医療のスター的存在であるiPS細胞の原料とも言われている。肌では、線維芽細胞が真皮内でコラーゲンを合成して肌の張りとツヤを保つ役割を果たしている。また肌が傷ついたときは、それがせっせと修復してくれる。ところが年を取ると線維芽細胞も老化して現役を引退する。そこで困ったことに、若い線維芽細胞の邪魔をする面倒なお年寄りに変化してしまうのだ。
「ミキモト」ブランドの化粧品を開発販売する御木本製薬は、老化した線維芽細胞が分泌する成分を調べたところ、EREG(エピレグリン)という因子が真皮の老化に関わっていることがわかった。それは、若者に比べて高齢者の真皮に多く存在し、そしてコラーゲンの合成を抑制していた。
そうとわかれば、EREGの働きを抑えるものを突き止めればいい。そうして見い出されたのが「パールグリコーゲン」と「ヒシ果実エキス」という2つの機能性素材。40代以上の女性14人にパールグリコーゲン配合ローションを1日2回、毎日塗布してもらったところ、2週間後には真皮のコラーゲンの量が大きく増えた。ヒシ果実エキスについても同様の結果が得られた。
老化に関しては、その研究がどんどんピンポイントになり具体性が感じられるうようになってきた。線維芽細胞の老化が抑制できるということは、皮膚以外の老化にもなんらかの恩恵があるのか、と期待してしまうが、それはまた別の研究を待つことになる。
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