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Sunday, November 19, 2023

長瀬産業系、D2Cでスローな肌ケア 30〜40代開拓 - 日本経済新聞

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NIKKEI MJ

長瀬産業の完全子会社で化粧品販売のナガセビューティケァ(東京・中央)がネットでD2C(ダイレクト・ツー・コンシューマー)を始めた。このほど30〜40代向けに、クレンジングクリームなどスキンケアの新ブランドを立ち上げた。同社はこれまで対面販売を貫いてきたが、今後は公式サイトでの販売にも注力する。新たに販路を設けて新規客の獲得を狙う。

ナガセビューティケァは30〜40代向けの化粧品シリーズ「roomS(ルームエス)」の専用サイトを立ち上げた。まずクレンジングクリーム「ルームエス101 スキンイノセンサ」の販売を始めた。アンチエイジング化粧品で内容量は120グラム。価格は5600円。

長瀬産業グループが培ってきた原料の抽出技術の知見をもとに、2種類の植物由来の保湿成分を配合した。一般的にクレンジングクリームはダマになりやすいなどの使いづらさが課題だったが、水分を多く含ませたことで肌に優しく、触り心地良く仕上げた。

クリームタイプのクレンジング製品は近年、利用が目立っていないようだ。ナガセビューティケァが実施した25〜49歳女性を対象とした調査では、39%がオイルを最もよく使っており、クリームを主に使用する女性は9%だった。

クレンジングオイルなど高機能で簡単にメイク落としができる「時短」商品が注目を集めるが、オイルは汚れと一緒にうるおいも落としてしまう製品が多いとされる。

一方でナガセビューティケァは「スローケア」を掲げて開発した。30代は皮脂量が最も高くなる一方、水分量と共に徐々に減少に転じる時期でもある。肌のトラブルが起きやすく、時間をかけてでも肌の調子を整えるアンチエイジング化粧品の需要があると分析した。

同社の三原康弘社長は「時短商品の市場はレッドオーシャンになっている。肌を丁寧にケアし、日々のストレスから解放される世界観を追求する商品にした」と話す。

販売は当面、電子商取引(EC)サイトのみにする。サイトは世界観に合わせて落ち着いた雰囲気に仕上げた。機能の説明も短くまとめた。

同社は創業以来約5万人の販売員が地域ごとに商品を宣伝・対面販売する事業のみ展開してきた。オンラインサイトでも売ってきたが、購入するためには販売員を経由した会員登録が必要だった。新ブランドはD2Cで販売するため、消費者は販売員を介さずに買うことができる。

対面販売は50代以上が主なターゲットだったことから、D2Cは同社にとって新しい客層に向けた商品展開になる。購入者の年齢層や購買頻度、サイトの滞在時間などのデータを収集し、商品開発の参考にしたいとの狙いがある。ポップアップストアなども計画し、サイトに呼びこむ。

現在、D2Cで取り扱う化粧品は1種類のみだが、12月に新たにルームエスブランドの美容液2種の取り扱いを始める予定。同社が今後開発予定の健康食品を販売することも検討。海外の人への販売にも注力する考えだ。三原社長は「23年度内にルームエスブランドで5種類ほど展開し、5年ほどで30億円規模を売り上げていく事業にしていきたい」と意気込む。これまで販売員経由で商品展開をしてきた同社にとってD2Cで認知度を高め、購買につなげられるかが鍵となる。

(鈴木大洋)

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