資生堂はDNA肌診断サービス「Beauty DNA Program」を提供している。DNAという誰1人として同じものを持たない情報を基にスキンケアや生活習慣のアドバイスを行う、パーソナライズサービスだ。売り切り型ビジネスからLTV(顧客生涯価値)重視の経営にかじを切った資生堂にとって、パーソナライズは大きな鍵。同サービスの実力やいかに。実際に記者が体験した。
DNAという、究極のパーソナル情報を用いた体験だ。
資生堂は2023年7月21日から、「Beauty DNA Program」を開始した。顧客のDNA情報を検査し、個々人に合ったスキンケアや生活習慣のアドバイスを提供する。
資生堂のDNA研究・皮膚科学研究のデータと、AI(人工知能)技術を応用して開発した検査法から、生まれ持った肌の特性をタイプ別に見る「肌体質」、老化や肌への悪影響に対する抵抗力を見る「肌レジリエンス力」、血中の「ビタミン調整力」の3カテゴリー、計27項目がチャートで示される。
そして予約をすると、パーソナルビューティーパートナー(PBP)と呼ばれる美容部員が1対1のパーソナルセッションで、検査結果の詳しい解説や、結果に合わせた肌のお手入れポイント、生活習慣や食事などのライフスタイルに関するアドバイスを受けられる。サービスに申し込むには、資生堂の会員制度Beauty Keyへの登録が必要だ。
パーソナルセッションを受けるかは体験者が選択できるが、検査だけでも検査とパーソナルセッションの両方を受けても、希望小売り価格税込み1万2000円となる。
筆者が感じたこのサービスの利点は、下記の3つだ。
- DNAという一生変化しない情報から自分の肌特性を知ることで、現時点だけでない長期的なケアを考えられる
- 必要な栄養素など、インナーケアも教えてもらえる
- 肌悩みやなりたい肌に合わせて、必要な成分を教えてもらえるため、資生堂以外の商品を選ぶ際も参考にできる
資生堂は顧客一人一人に適切な商品や美容法の提供を通じて、生涯を通じた健康美を実現する企業「パーソナルビューティーウェルネスカンパニー」となることを未来像として掲げている。
顧客と密なつながりをつくり、売り切り型のビジネスでは実現が難しい、顧客とのサステナブル(持続可能)な関係性の構築を狙う。Beauty DNA Programはその実現の第一歩となる重要施策の一つだ。
▼関連記事 資生堂、本気のマーケDX 3年間で実現した「4つの経営改革」では、どんな体験なのか、実際に記者が試してみた。まずは店頭でのサービス購入と申し込みから始まる。SHISEIDO THE STORE(資生堂銀座本店)や一部の化粧品専門店、デパートなどのBeauty DNA Program取扱店舗にあるQR(2次元)コードを読み取り、サイトにアクセス。利用規約への同意やサービス登録の手続きを行う。
インビテーションコードを入力しサービスへの登録が完了すると、数日後にDNA検査キットが自宅に送られてくる。キットで唾液を採取して返送用封筒に入れて返送すると、唾液を検体としてDNA検査が行われ、返送から約3週間で検査結果がメールで送られてくる。結果はBeauty Keyアプリや、Beauty DNA Programのマイページから閲覧できる。このマイページはBeauty Keyの情報に連係している。
検査結果を受け取ったら、PBPによるパーソナルセッションを予約する。予約を行う際にさらにアンケートを記入し、自分の肌悩みやなりたい肌についてPBPに伝える。例えば筆者の場合、一番の肌悩みにかさつき・乾燥を、次の肌悩みにくすみ・透明感のなさ、そして理想の肌は、くすみのない透明感ある肌を選んだ。
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