新型コロナウイルス感染拡大の影響で24日に東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの1年程度の延期が決まったことを受け、仕切り直しとなる日本選手の声には、中止が回避された安堵(あんど)や今後への不安などさまざまな思いがにじんだ。

男子テニスで右肘故障からの復帰を目指す錦織圭選手(日清食品)は自身の公式アプリで映像を公開し「少し安心した。キャンセル(中止)でなかったのと、延期したのはどの選手にも良かった」と述べた。延期を前向きに受け止め「チャンスをいい形で迎えられるよう自分も準備をして、楽しみにこの期間を待とうと思う」と語った。

五輪男子マラソン代表の中村匠吾、同50キロ競歩代表の鈴木雄介両選手(ともに富士通)は25日に談話を発表。中村選手は「今年開催してほしい気持ちはあったが、現状では難しいことは納得していた。MGC(マラソングランドチャンピオンシップ)というプロセスを経て勝ち取った代表であり、ぜひ維持していただきたい」と代表資格の保全を求めた。

昨秋の世界選手権覇者の鈴木選手も「過酷な環境下の世界選手権に挑戦し、金メダルという結果を出して得た代表」として五輪出場権の維持を望んだ。

陸上男子100メートルで9秒97の日本記録を持つサニブラウン・ハキーム選手(米フロリダ大)は「2021年に自分の思う形に持っていけるように、今やるべきことをやっていくだけ」と受け止めた。

サッカーのオランダ1部リーグ、アイントホーフェンでプレーする21歳の堂安律選手は自身も欧州で自宅待機を強いられており「世界が1つになってこの危機を乗り越え、皆さんに感動を与えられるように頑張りたい」とツイッターに投稿。昨年のラグビーのワールドカップ(W杯)で活躍し、7人制で五輪を目指す福岡堅樹選手(パナソニック)も「今の自分にできる最高の準備を続けよう」と書き込んだ。(共同)