すっかり日差しも強くなり、梅雨の季節に入ってきました。一般的には夏になると肌荒れしてしまうという方は多いです。よくある原因と対策についてご紹介いたします。
「ストレス」による肌トラブルは梅雨にあらわれる?!
春先の肌トラブルとして新環境のストレスが挙げられることが多いですが、実は大きなストレスによる肌トラブルは少し遅れてあらわれることが多いです。暴飲暴食や睡眠不足、化粧をしたまま寝るなどで直後に少し吹出物ができたりすることはありますが、そういう環境の変化や精神的なストレスが長期的に続く場合の肌変化は、2カ月後くらいに深刻になってきます。
新生活が始まるのは4月が多く、それによる環境の変化でだんだん肌状態が悪化し、皮膚科に駆け込むようになるのは6月頃のケースが多いです。夏は肌トラブルが起きやすい季節ということもあり、そのまま放置しているとさらに悪化してしまう可能性もあります。
ストレスによる肌荒れは、若い世代では吹出物やニキビが目立ちますが、中年以降の世代では肌のくすみやシミなどとしてあらわれるケースもあります。いずれにせよ、ストレスの根本的な原因を改善し、現在起きている肌トラブルに正しく対処していく必要があります。ストレスによる肌状態の悪化は身体からのSOSサインですので、真摯に受け止めましょう。
ストレスなどにより一時的に少量できるニキビは、吹出物と表現されることが多いですが、実際にはニキビと全く同じですので、正しい対処法もニキビ治療と一緒です。
ニキビは、毛穴が詰まるということと、詰まった毛穴の中で皮脂が多く分泌されることでアクネ菌が増殖してしまうことにより生じます。毛穴をつまりにくくさせるケア、皮脂を抑えるケアが有効です。日常のスキンケアで対処しきれない場合は皮膚科の受診がおすすめです。ニキビ治療は保険適応ですので、比較的安価でお薬を処方してもらえます。
肌のくすみは、毎日鏡を見ていても自分では気づきにくいかもしれません。疲れて見えると言われることが増えたり、肌の色が均一ではなく色ムラがでてきていたりする場合は、くすみが目立ってきている可能性がありますので、じっくり自分の肌を観察してみましょう。くすみの原因には、新陳代謝の低下、シミや肝斑などが挙げられます。美容皮膚科で対処できますが、まずは食事や睡眠を見直すなど生活を整えてみると良いでしょう。
夏肌の大敵! 「紫外線」はニキビも悪化させる?!
夏肌トラブルの原因の代名詞と言えば、紫外線。紫外線の身体への悪影響はあまりにも有名です。肌の老化につながるだけでなく場合によっては皮膚ガンを引き起こしたり、白内障など目に対する害もあったり、全身の免疫異常を引き起こしたりする可能性もあります。特に、普段の生活で紫外線を浴びていない人が、突然強い紫外線にさらされると身体への負担が大きいので注意しましょう。
紫外線による肌への影響は、シミができるというイメージが強いですが、実際にはシワ、たるみなど全般的な肌老化につながります。これは光老化と呼ばれており、肌の老化の原因は8割が紫外線と考えられています。外見における若さの印象を決めるものとして肌はとても重要ですから、若い外見を維持するにはいかに紫外線対策が重要であるかがわかりますね。
意外に認識されていませんが、紫外線はニキビも悪化させます。ニキビのケアというと皮脂対策というイメージが強いですが、特に夏は紫外線対策も重要なのです。日焼け止めは肌に負担になることも多いので、ニキビができている肌に日焼け止めを塗ることに抵抗があるかもしれませんが、ノンコメドジェニック(ニキビができにくいことが認定された商品)の日焼け止めを選ぶなど工夫してみてください。
紫外線による害を防ぐには、日焼け止めも含めた物理的な防御が一番有効です。UVカットスーツやマスク、サングラスはとても重要で、それでもカバーしきれない部分は日焼け止めで対応します。日焼け止めの効果をしっかり発揮するには、数時間おきに塗り直す必要があるので忘れないようにしましょう。また、曇りの日でも、晴天の日の6割~8割程度の紫外線量はありますので、紫外線対策は必要です。
「汗」による肌トラブルにも気を付けて
かいた汗を放置したことで肌荒れしてしまった、という経験は誰にでもあるのではないでしょうか。特に夏は汗をかきやすく、顔だけでなく、身体にも、あせもやとびひ、などの肌トラブルが生じることがあります。実は自覚できないほどの微量な発汗というのは肌にとって大切な潤いのもとなのですが、発汗量が多すぎると、肌のpHが上昇しアルカリ性に傾いてしまいます。
健康な状態のお肌は弱酸性が保たれているので、アルカリ性に傾くことは肌にとって負担で、肌荒れの原因になります。汗をかいてから放置していると、汗の水分が蒸発しpHはますます強いアルカリ性に傾いてしまいますので、汗をかいたら早めに対処することも大切です。
汗の害を防ぐには、こまめに汗を拭き取ったり、シャワーを浴びると良いです。水で流した後の肌は乾燥しがちなので、頻繁にシャワーを浴びる場合は特に、その後に保湿剤をしっかり塗りましょう。
夏に起こりがちな肌トラブルについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
春からのストレスの蓄積、紫外線、汗、と夏は肌トラブルが起きやすい環境にあります。それぞれの原因と対処法についてしっかり理解、対処し、清潔感のあるきれいな肌を維持していきましょう。
美容外科専門医 : 神林由香
かんばやしゆか美容外科専門医(JSAS)。
東京大学理科2類中退後、2011年香川大学医学部卒。
東京女子医科大学病院初期研修、東京女子医科大学病皮膚科入局、2016年大手美容外科都内分院スキンクリニック院長などを経て現職。
からの記事と詳細 ( 医師に聞く「3大夏肌トラブル」の原因と解決策は? - マイナビニュース )
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