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祇園祭の 前祭 の宵山期間が14日始まり、京都市中心部では2年ぶりに 山鉾 の一部が並んだ。山鉾建てを見送った町内を含め、会所では華やかな装飾品を展示し、厄よけちまきを授与。コロナ禍で山鉾巡行は昨年に続いて中止となったが、京都らしい夏が少し戻ってきた。
宵山期間は例年、多くの人でにぎわうが、各山鉾の保存会は、観覧自粛や密集防止を呼びかけている。感染対策で、駒形 提灯 の点灯や「コンチキチン」の音色で知られる祇園 囃子 の屋外演奏は午後7時までとしている。
山鉾建ては技術伝承を目的に行い、34基中17基が建つ。うち前祭は11基で、作業は10日から開始。多くは16日頃まで見られる。 後祭 の6基は18~23日頃に設置される予定。
例年、前祭の巡行で先頭を進む 長刀 鉾は午後5時から提灯を点灯。きらびやかな「 懸装品 」をほのかに照らした。
祇園祭・山伏山の前後、左右に飾られる織物「水引」が約200年ぶりに新調され、山伏山保存会(中京区)の会所で公開されている。16日まで。
山伏山の水引は江戸後期に国内で制作されたと伝わり、繭から取った糸を紡ぎ、絹織物を作って献納する様子を描いた「養蚕 機織 図」が、つづれ織りで表現されている。素材の絹糸が劣化し、2015年度から国の補助を受けて川島織物セルコン(左京区)に新調を依頼。20年度に完成した。
保存会は今年も山伏山を建てないが、樋口晴彦理事長(60)は「来年は、鮮やかに織り上がった水引を巡行で披露するのを楽しみにしている」と話している。
京都中央信用金庫本店(下京区)では16日まで、営業部の職員が祇園祭期間中の恒例として、浴衣姿で勤務に当たる。
本店を鉾町の一つ、 函谷 鉾町に移転した翌年の1975年から毎年続けている。昨年までは営業部勤務の一部職員は外回りのためスーツ姿だったが、今年は初日の13日、約60人全員が着用。アサガオやチョウ柄などの浴衣を着た女性職員5人が、フェースガードを着けて来店客を出迎えた。
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