ジャムや佃煮など、容器の形状のため最後まで残さず食べ切ることができないことがある。キレイに食べ終わりたくても、なかなか難しいと思ったことはないだろうか。
そのような中で今、この悩みが解消した容器がTwitterで紹介され、称賛が集まっている。
この記事の画像(7枚)瓶の「新化」
磯じまんは、創業以来、商品をガラスの「瓶」に詰めてお届けしてきました。
しかし、そんな瓶にもお客様からご意見がありました。
「佃煮が少し瓶に残る…」「商品を最後まで残さず使いきりたい…」
解決方法は、ストレート設計でした。
ガラスの「瓶」からガラスの「器」へ。
磯じまんはこれからも、お客さまの「ご意見」にできる限りおこたえする努力を重ねてまいります。
これは、老舗食品加工メーカー「磯じまん」(東京)の商品「生のり」に使っている容器(瓶)の形状を変えたことのお知らせだ。
以前は口の部分にカーブがあったため、佃煮をキレイに取り出すことができずに少し残ってしまったという。そこで、新たにカーブをなくした“ストレート設計”(瓶の内側をストレート形状)の「器」を開発し、最後まで残さずに使い切ることができるようにしたのだ。
容器の形状を変えるというアイデアだが、それでキレイに食べ物を取り出せるのであれば消費者にとっては嬉しい限りだろう。しかし、なぜそれまではストレート型がなかったのだろうか?
新しくなった容器について、磯じまん株式会社の担当者に話を聞いた。
実は2016年から変更
ーー新しい形状の容器を開発した経緯は?
従来の瓶だとネジ口の下のカーブ(肩)の部分に中身が残ってしまい、きれいに取り出せない、「スプーンで取り切れない」「少し残ってしまう」というお客様の声をお電話などでいただいた事があり、何とか出来ないかと考えていました。
ーーいつから変わっているの?
2016年9月にリニューアル発売した「生のり105グラム」、2017年9月にリニューアル発売した「山海ぶし105グラム」に使用しています。
ーーなぜ、これまでなかった?
ストレート瓶だと製造工程でネジ口の部分が接触してしまい、瓶のネジ口部分が破損してしまう恐れがあります。瓶詰の製造ラインでは瓶同士が連なって流れますが、その際に接触(ぶつかる)する事があるからです。
通常の瓶は肩の部分があり、肩より下の部分同士は接触しますが瓶口部分は接触しません。
ストレート瓶だと肩が無い為、瓶口部分が接触してしまい、破損(瓶が欠ける)の可能性があります。
瓶が割れたり欠けたりすると、お客様に怪我を負わせてしまう可能性があるので出荷出来ません。
ですので、ネジ口のすぐ下に出っ張り部分(ビード)を作り、そこを接触面にする事でネジ口の破損を防ぎます。ストレート瓶が横から見ると羽釜みたいな出っ張りあるのはその為です。
ーー「ストレート型」は誰が考えたの?
当時社長だった山本嘉一(現会長)が海外を視察した際にストレート瓶を見かけ、「こういう形状の瓶を使用して製造できないか?」と瓶のメーカーに相談したのがきっかけです。
他にも工夫がされた瓶がある
ーー開発でこだわった部分はどこ?
瓶の開発には2年程度かかっております。ストレート瓶の利便性だけではなく、食卓にならんでもかわいく見える計上にもこだわりました。
ーー大変だったことはある?
ネジ口が当たらない様に出っ張り部(ビード)を設けているのですが、その厚さなどについて試作瓶を実際の製造ラインで試験したりして試行錯誤しました。
ーーストレート瓶が完成した時、どう思った?
ストレート瓶にした事によって瓶口も広くなりましたので、より取り出しやすくなったという評価を受けました。最後に残った中身の取り出しやすさという点については格段に簡単に出せると思います。
ーーどの商品に使用されている?
現在、「生のり105グラム」「山海ぶし105グラム」の2品に使用しています。また、ストレート瓶ではないのですが、「いそマルシェ150グラム」と「のりのり75グラム」はカーブ(肩)の角度を工夫する事によって取り出しやすい形状になっています。
ーー今後、他の商品に採用する予定は?
ストレート瓶を今後増やすかどうかについては決まっておりません。ですが、今回意外なかたちで日の目をみましたので増えていく可能性もあります。
ーー話題になったことを、どう感じている?
2016年販売当時には雑誌や新聞などで広告を打ったりもしたのですが、残念ながらおおきな話題にならなかったので、正直なところ大変驚いています。
売上についてはもう少し後にならないとわかりませんが、ネット通販での注文は増えて来ております。あと、遅ればせながら今年、当社も公式のSNSを立ち上げたのですが、今回の話題のおかげでフォロワーになっていただいた方がいらっしゃるという報告を受けております。
変更当時は話題にならなかったそうだが、今回のTwitterでの紹介をきっかけに、一気に知られるようになったのはネット時代ならではだろう。
そして話題になった商品は、ストレート瓶だと製造工程でネジ口の部分が接触してしまい、破損してしまう恐れがある課題を解消したものだった。また、他の商品でもカーブが緩やかな形状など、容器にもいろいろな工夫が施されていた。普段は何気なく手に取る商品かもしれないが、改めて注意して見てみると新しい発見もありそうだ。
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からの記事と詳細 ( 「佃煮が少し残る」問題を解消した“ストレート瓶”が話題…これまでなかった理由を聞いた - www.fnn.jp )
https://www.fnn.jp/articles/-/209144
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