伊藤良渓
茨城県石岡市は17日、匿名の女性から現金200万円の寄付があったと発表した。
市社会福祉課によると、16日午後2時ごろ、70～80代とみられる女性が市役所を訪れ、「寄付をしたい」と総合窓口に伝えた。少し腰が曲がりゆっくりと歩く女性を見て、同課の職員は「歩くのが大変そうだ」と思い、ロビーで対応した。
「少しだけど……」。女性は職員に持っていたポリ袋から茶封筒を差し出した。中には帯がついた200万円。100万円ごとを束ねた郵便局の帯には6年ほど前の日付がついていた。女性は「以前、市にはいろいろとお世話になった。生活困窮など、困っている人のために役立ててほしい」と話したという。
職員が何度か名前を尋ねたが「匿名でお願いします」の一点張りで、やりとりは10分ほど。「もうお金を使うこともないし、子どもに残してもしょうがないから」。女性は言葉少なに帰っていった。
担当者は「使い道について検討し、生活に困っている市民のため役立てたい」と話す。谷島洋司市長は17日、「地域を思うありがたい気持ちに胸がいっぱい。福祉関連事業への貴重な財源として、市民に還元する」とコメントを発表した。（伊藤良渓）
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