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山形市の金属加工会社、みよし工業は加工技術を生かし、女性社員が主体となって商品化した純チタン製のアクセサリーの販売を始めた。企業からの受注が事業の主力だが、消費者向けの製品を手掛けるBtoC(企業と消費者間の取引)強化策の第1弾。ものづくりの現場で女性の働きがいを創出することにもつながっている。
アクセサリーは地元の東北芸術工科大出身で入社3年目の斎藤いくみさん(37)が発案。ピアスやイヤリングを中心に、昨年秋に商品化された。滴や花などをかたどるが、ネギをイメージしたユニークな商品もある。熱による化学反応で着色した青やピンク、黄色のグラデーションが特長だ。
斎藤さんは「消費者と直接つながることで、特に女性にものづくりの魅力が伝わればいい」と意気込む。
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同社は1985年創業。ステンレスやチタンの切断や溶接といった板金加工を専門に手掛ける。繁忙期と閑散期の売り上げの差が激しく、平準化できるBtoC進出のアイデアを模索していた。
斎藤さんは市販のピアスが肌に合わなくなった経験から、体に優しい純チタンを素材に使うことを思いついた。加工に専門的な技術を要する純チタンの工法を確立して他の製品との差別化を図った。
製造や販売は主に、昨年春に入社した大学の後輩の鏡凪沙さん(23)と2人で担う。鏡さんは「男性よりパワーが足りないため携われない現場の作業もあるが、自分のアイデアを実現でき、やりがいを感じる仕事」と話す。
2人の挑戦をきっかけに、同社は溶接など各工程の社員を集め「自社製品プロジェクトチーム」を設置した。雑貨類などの開発も目指すという。斎藤さんは「女性に限らず、社員全体の創作意欲が高まっている」と手応えを語る。
アクセサリーの価格は3000円前後。自社のオンラインショップで販売するほか、山形県内のマルシェにも出店している。
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