国山ハセンキャスター
「私は今朝モルドバを出まして再びルーマニアに入りました。ここは道中の街の公園です。とても落ち着いた雰囲気で、暖かい日差しが降り注いでいます。ウクライナから避難してきた方々には、先の見通せない日々が続いています。そんな皆さんに少しでも笑顔を取り戻してもらおうとする。支援の輪を取材しました」
■配給所に並ぶ避難民
ハセンキャスター
「ここはモルドバの首都キシニョフなんですけれども、ここがウクライナから避難してきた方々への支援物資の配給所になっています。ご覧のようにウクライナの皆さんの長い列ができているのが分かるかと思います。小さな子どもを抱えているお母さんの姿もありますね」
この配給所には、1日に2000人もの避難民が訪れると言い、行列は角を曲がっても、まだ続いています。配給所が設置されたのはレストランの一角。
中を見せてもらうと・・・
ハセンキャスター
「主に飲み物ですとか、小麦粉、缶詰がありますね。」
ズラリと積まれた食料の数々。ブランケットや、ペットを連れた避難民のための“ドッグフード”も用意されています。ここにある物、全てが無料です。
ハセンキャスター
「小さい子も多く並んでいましたので、遊ぶおもちゃや塗り絵など“子どものためのもの”もこの配給所にはあります。子ども用の物資が多いことに驚きました」
配給所を運営している人
「子ども用の物資もそろえています。ここに来るウクライナ人の40%が子どもなので、おもちゃなどの寄付を集めるのに力を入れました」
■避難民を受け入れる家庭の思いとは
親族を頼って避難した人も少なくありません。
戦闘が激化しているウクライナ東部ドネツク州から避難してきたパベルさん親子。
ウクライナからモルドバに避難してきたパベルさん
「私たちの家の近くで銃撃がありました。空港や、軍の拠点、そのインフラ施設などが攻撃を受けました」
家族を受け入れてくれたのは、モルドバに暮らす、いとこのアレクサンドルさんと奥さんのアナさんです。
アレクサンドルさん
「私たちだっていつ彼らみたいな立場になるかわかりません」
ハセンキャスター
「決して他人ごとには思えないということですね」
アレクサンドルさんと妻のアナさん
「思えません。みんな同じ人間だし、親戚だし、隣の国ですから」
■食事も畑仕事も一緒に
食事はみんなで一緒に食べるといいます。この日は、避難してきたイリナさんが晩御飯を作りました。
避難したパベルさん家族を受け入れたアレクサンドルさん
「戦争のつらい思い出を少しでも忘れてもらうために、町から連れ出したり、畑仕事を一緒に手伝ってもらったり、出来ることは全てやろうと思っています」
自家製のワインをみんなで囲み、これまでのような時間を過ごすことも大切なのだといいます。
パベルさん
「健康と幸せを祈ります。世界に平和を」
この笑顔が祖国に戻る日はいつになるのでしょうか。
■身寄りのない少女からのメッセージ
小川彩佳キャスター
「ハセンさん、今回の取材を通してどんなことを感じましたか?」
ハセンキャスター
「取材したホストファミリーの皆さんは本当に温かい人たちでした。避難してきたご家族は、様々な思いがあると思います。最初、お話を伺ったときには目に涙を浮かべて話してくれました。ただ、みんなで食卓を囲んだときには笑顔が戻りました。その笑顔を見たときに私もほっとしました。
実は、ウクライナから避難してきた17歳の女の子と毎日連絡を取り合っています。何気ないやりとりなんですけども、今朝ですね、“もうすぐ私は日本に帰ります、帰路に着きます”と伝えると、彼女は“私も家に帰りたい”と言いました。また故郷の景色が見たいんだと思います。
取材を通して感じるのは、他人事にしないということです。ウクライナから避難してきた人々、まだウクライナにいる人々。その人たちの声に耳を傾け、寄り添い、私たち一人ひとりにできる支援を考えることが大切だと実感しました」
からの記事と詳細 ( 【現場取材】「少しでも笑顔に」ウクライナ避難民の力に - TBS NEWS )
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