単独首位で出た穴井詩(35=GOLF5)が逃げ切りで今季2勝目、ツアー通算5勝目を飾った。

4バーディー、3ボギーの71で回り、通算10アンダー、206。後続を1打差で振り切った。年間女王を決めるメルセデスランクもトップに浮上。次戦は今季国内メジャー初戦、ワールド・サロンパスカップ(4日開幕、茨城GC西C)が控える。悲願のメジャー初制覇へ弾みをつけた。1打差の2位に永峰咲希。前週ツアー初Vを飾った神谷そらは4アンダーの8位だった。

穴井は最終18番パー5でバーディーパットを沈めて優勝を決めると、右手を高々と突き上げた。今季目標の1つに挙げていた初の複数回V。「優勝スピーチは考えてなかった」としながらも「めちゃめちゃうれしい」と笑みがこぼれた。

首位からスタートも、永峰咲希との一騎打ちは最終ホールまで続いた。18番パー5でティーショットが右ラフへ。2オンを狙わず「どうにもならず刻んだ」後の残り82ヤードからの第3打。58度のウエッジで打った球はピン約30センチにピタリとつけた。「自信はありました。私のウエッジの良い距離で、バックスピンでちょっと戻る傾斜にピンがあった。完璧な球を打った」。難なくバーディー締めで、通算9アンダーで並んでいた永峰を突き放した。

キャディーを務めた石井雄二コーチは「昔と違って、自分のことをよく分かってきている」と、成長に目を細めた。穴井はカギになったプレーに、優勝を決めた18番のバーディーではなく、10番パー4と11番パー4を挙げた。「そこを耐えられたのが大きかった」。いずれも約3メートルのナイスパーセーブだった。「少し大人になったかな」。屈指の飛ばし屋も刻んだり、我慢したりと幅を広げている。

35歳。年齢を感じることもある。今季初Vを果たした試合からドライバーを変えた。「体力をだいぶ削られて重く感じてしまった。軽いヘッドなんですけど、ちょうど良かった」。ケアを増やしたり、練習量を抑えるなどで、年齢をカバーしている。一方、験を担ぐことは変わらない。3日間、会場近くの同じ中華料理店に通った。「メニューは変えましたが、同じ店、同じ席で食べました」と明かした。

次週は今季国内メジャー初戦、ワールド・サロンパス・カップが控える。「良い状態でメジャーに入っていける」。かねて目標に挙げる国内メジャー初Vに自信をのぞかせた。【近藤由美子】

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