自らに勝敗は付かなかった。結果的に、チームも敗れた。
ただ、試合後のツインズ前田健太が残した言葉は、その大半が前向きだった。
6月14日、敵地シアトルでのマリナーズ戦。
右上腕筋痛と右太もも内側の右内転筋痛で負傷者リスト(IL)入りしていた前田が、5月22日以来、23日ぶりにメジャーのマウンドを踏んだ。
初回の1死後、珍しく3者連続四球を与えたこともあり、無失点で切り抜けるまでに33球を費やした。結局、4回3安打1失点。故障明けでもあり、76球でマウンドを譲り、勝ち負けとは無関係だった。
それでも、指先と体全体に残る感触に、マイナス要素はなかった。
「復帰して投げられてうれしかったです。どのボールもILに入る前よりいいボールが多かった。(初回に)球数が多くなってしまいましたけど、投げていた感覚、ボールもすごく良かったので次につながると思います」
まるで勝利投手のような言葉は、サイ・ヤング賞投票で次点となった昨季のような自信に満ちていた。
ツインズへ移籍して2年目の今季、前田はメディアガイドの表紙を飾り、メジャーで初めて開幕投手に指名されるなど、チームのエースとして期待された。
ところが、ここまでは思い描いたような結果は残せていない。
開幕2戦目で初勝利を挙げたものの、その後は要所で踏ん張りきれず、クオリティースタート(6回以上、自責3以内)をクリアできない試合が続いた。4月21日のアスレチックス戦と27日のインディアンス戦では、2試合連続で3本塁打を浴びた。5月11日からの3登板は、5回途中、あるいは5回までしか投げられず、チームも敗れる試合が続いた。
肉体に異変をもたらした寒冷地での登板
前田本人は具体的な時期を明かさないが、離脱する数試合前から、体調は万全ではなかった。無論、故障の原因は特定できない。だが、開幕直後から本拠地ミネアポリスをはじめ、デトロイトやクリーブランド、シカゴなど寒冷地での登板が続き、体のキレの悪さを感じていた。
「ごまかしながら投げている部分もありました」
その結果、右内転筋に痛みが生じ、上腕にも違和感を覚えるようになった。
昨季は暖かくなった7月下旬に開幕し、NPB、ドジャース在籍当時とも、寒い土地での登板経験がない。実際、気温3度の中、半袖でマウンドに向かった試合もあった。
からの記事と詳細 ( 気温3度で“半袖”登板「寒さを少し甘く見ていた」…故障から復帰、“自信も回復”前田健太が投球フォームを変えたワケ(四竈衛) - Number Web - ナンバー )
https://ift.tt/35ut4YE
No comments:
Post a Comment