中国地方最高峰・大山の中腹にある国指定重要文化財・大神山(おおがみやま)神社奥宮(鳥取県大山町大山)で、社殿の修繕費用が足りず、神社側が資金集めに苦慮している。慢性的な氏子減少に、コロナ禍が追い打ちをかけた。約5000万円が不足しており「少しでもお心を」と訴える。
大神山神社奥宮はオオナムチ(オオクニヌシ)を祭る山岳信仰の古社で、標高900メートルに鎮座する。現在の社殿は江戸時代後期の1805年に再建され、本殿と拝殿を別の建物でつなぐ「権現造り」の建築様式の神社としては日本最大級。社殿内の234枚に上る天井絵、柱に施された「白檀(びゃくだん)塗り」でも知られる。
1993年の大規模工事から年数が経過し、屋根の吹き替えや社殿の天井絵の修復に充てる修繕工事を昨年6月に始めた。末社で近くの下山神社の社殿修復と併せ26年の完成を目指す。
奥宮、下山神社の修繕費は約9億円。国や県、町の助成を受けても、境内の石垣整備や防災設備設置などで約1億1千万円が必要となる。当初は氏子や参拝客の浄財、企業協賛で賄う計画だったが、資金調達に苦慮。相見和紀宮司(70)は「コロナ禍で思うようにお願いに回れなかった」と明かす。
氏子を取り巻く環境も厳しい。大神山神社責任役員の木下鴻氏子総代会長(76)が「減少と高齢化が急速に進んでいる」と危機感を募らすように1993年の約600軒から、今年は約330軒に減った。
重文であっても思うようにいかない現状に、クラウドファンディング(CF)に踏み切った。相見宮司は「文化財を次世代につなぐのが使命」と支援を呼びかけた。
当面の目標として500万円を目指し、CFサイト「READYFOR」で12月15日まで受け付ける。返礼品には新デザインの朱印帳などを用意している。
(古瀬弘治)
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