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Saturday, March 12, 2022

ウクライナ難民、受け入れ一色へ転換の欧州 「肌の色で差別」訴えも [ウクライナ情勢] - 朝日新聞デジタル

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 ロシアに侵攻されたウクライナから国外に逃れる人たちが250万人を超えた。欧州側は積極的な難民の受け入れ態勢を敷き、これまでの流入を防ぐ姿勢を一転させている。

 「ウクライナのため、自分ができる限りのことをしたい。連帯する気持ちだけです」。ポーランド南東部コルチョーバの避難所で2月末、ソフトウェア会社員のブラド・ユスラブさん(24)は取材に語った。

 ポーランドは各国で最も多い150万人以上を受け入れている。

 ユスラブさんは、仕事を休んで、200キロ以上離れた南部クラクフから駆けつけた。得意の英語を生かし、母国語と英語しかできない難民の通訳係を買って出た。「困っていれば、どこの国の何人であろうが関係ありません」。大勢のボランティアが避難所で汗を流す。自宅に招き入れる人も少なくない。

 ポーランド政府も避難所や滞在場所を早々に確保。入国後は簡単な手続きで働いたり、学校に行けたりするような制度も次々と整えた。長期化すれば「過剰負担」となりかねない。だが、今はまず、目の前の困った人たちを助けようというムードが社会全体を支配している。

 ポーランドに限らず、欧州各国は積極的な姿勢を示す。マクロン仏大統領は2日の演説で「ウクライナ難民は、フランスも受け入れを担う」と明言。既に受け入れへと動いている自治体をたたえた。

 欧州連合(EU)27カ国は3日、難民を受け入れる緊急保護策で合意。ヨハンソン欧州委員(内務担当)は「歴史的な決断だ」と評し、「連帯を誇りに思う」と述べた。

 通常の難民申請のような手続きを省いて域内での滞在を認め、働いたり、子どもたちが教育を受けたりできるようにした。住居や医療、福祉などの支援も提供する。当面は1年間の時限措置だが、最長3年まで延長できる。有効なパスポートがなくても各国の判断で入域や滞在を認めうるという異例の対応だ。

 欧州側の対応はこれまでと大きく変わった。近年、中東などから欧州を目指す難民や移民の上陸や越境を阻む「プッシュバック(押し返し)」が問題になってきた。

 2015~16年には、シリアなどから100万人以上が欧州を目指した「難民危機」の際、ポーランドはハンガリーとともに徹底的に受け入れを拒んだ。政府はこれまで移民・難民に厳しい対応をとることで、市民から一定の支持を得てきた。

 マクロン氏も昨年8月には、アフガニスタン情勢をめぐり、「不安定なアフガン情勢は欧州への不法移民の流入を引き起こす恐れがある」と強調。それ以前も「不法移民とテロの結びつきをはっきり見なければならない。難民保護の権利が悪用されている」と訴えてきた。

 同じように戦禍から逃れてきたのに、二重基準とも言えるこの対応の違いはどこにあるのか。

 ポーランドの主要紙、選挙新聞のユディタ・バトーワ記者は「ウクライナは地理的、文化的、言語的にポーランドに近く、同じスラブ民族であることが大きい」と話す。歴史的にも1939年の侵攻でソ連に国土を踏みにじられ、冷戦時も影響下に置かれたポーランドの人々はロシアへの反感が極めて強いこともある。ロシアに攻撃されたウクライナに対し、「多くの人たちに共感の気持ちが生まれるのは当然だ」という。

 だが、首脳から差別的な発言も出ている。

 AP通信によると、ブルガリ…

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