[New門]は、旬のニュースを記者が解き明かすコーナーです。今回のテーマは「BS放送」。
衛星放送のBSで3月下旬、3局の無料チャンネルが開局した。旅やグルメ、音楽など地上波のテレビとはひと味違う番組編成で親しまれるBSだが、営業的には頭打ちが続く。インターネットの動画配信や無料動画など「ライバル番組」が増える中で、個性的な番組作りや取り組みで勝機を見いだす。
「アタック チャンス!」
46年の歴史を惜しまれ、昨秋に終了した長寿番組「パネルクイズ アタック25」が3月末、俳優の谷原章介さん司会のもと、BS放送で華々しく復活した。手掛けたのは、開局したばかりの新局「BSJapanext」。通販大手・ジャパネットホールディングスが新たに設立した子会社が運営するBS局だ。
同社の田道祐樹社長は「自分たちの考えや良質なコンテンツを、全国発信できる機会があれば良いと思っていた」と語る。通販番組で商品の良さを伝え、スポーツによる長崎県の地域創生に取り組むジャパネットの事業の流れにつなげたいという。
個性的な方針は新局の「BSよしもと」も負けていない。松本幹景編成制作局長は、「地方の頑張る方を応援し、BS放送で幅広く全国に知ってもらいたい」と語る。吉本興業では2011年から「住みます芸人」と称し、芸人が各地に移住して観光PRなどをしている。彼らが中継で出演する生番組を放送し、地域の魅力を全国発信する。
「BS松竹東急」は歌舞伎や映画事業で長い歴史を持つ松竹と、渋谷などの街づくりに取り組む東急が手を組み、様々なオリジナル番組を作るという。
BSは赤道上空3万6000キロの放送衛星を使い、家庭に電波を送る。1989年にアナログ本放送、2000年に高画質のデジタル放送を開始した。地上波に比べて全国をカバーでき、効率と経済性に優れている。19年現在で、約4500万世帯の視聴が可能だ。
BSは衛星波の回転方向が二つある。今回の3局を含む「右旋」(右回り)と呼ばれる波を使う局は、民放の無料放送やNHK、WOWOWなどの有料放送を含め計30チャンネルある。18年に4K放送も加わった。
衛星放送協会の岡本光正専務理事は、BSの長所を「視聴者に広くリーチでき、放送としての信頼性がある」と語る。
からの記事と詳細 ( 旅・グルメ・音楽…個性的で少し違ったBS放送、新たに3局開局 - 読売新聞オンライン )
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