詩人を志すも挫折し、傷ついた自尊心がもとで虎と化した秀才、李徴(りちょう)の悲劇を描いた小説『山月記』(中島敦・著)。その設定を元にした4コマ漫画が、あらぬ方向性の議論を呼んでいます。作者は漫画家のカコミスル(@cacomistle_tail)さん。
参考:「山月記」(青空文庫)
漫画は李徴の旧友、袁サン(にんべん+参の旧字体)の視点でスタート。草むらに懐かしい人影を見て、「我が友、李徴子……?」と驚いています。
すると李徴は尻にしっぽが生え、肌は獣毛が生えて白くなり……と、段階的にじわじわ変身。ガオ! とほえて四つ足で駆け出したかと思えば、完全に虎になってしまいました。袁サンは李徴がどのくらいの“ケモ度”(※)のときに声をかけるか迷っているうちに、旧友と話す機会を失ったのです。
※獣人の描写における獣要素と人要素の比率
声をかけるタイミングを見失ったばかりに、結果的には単に虎と遭遇しただけで終わりそうな、このパロディ『山月記』。ただ、動物の要素を持ったキャラクターに惹かれる「ケモナー」的な視点では、「獣人の表現は、どの程度獣寄り(人間寄り)だとツボか」は悩ましい問題のよう。リプライでは「バトル李徴子なら3段階目」「4段階目が一番かっこいい」などと意見が割れています。
カコミスルさんはTwitterで多数の4コマ漫画を公開しており、3月に初の単行本『カコミスルちゃんねる』がKADOKAWAから出版されています。
画像提供:カコミスル(@cacomistle_tail)さん
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